今週の窓

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第30回 鍼灸 「不妊の鍼灸」

 突然ですが・・・
 現在不妊に悩む夫婦、カップルはどのくらいいると思いますか?

 答えは26人に1人、全国で4万人いるそうです。多くなってきていますね。
 一般的には、年齢が35歳以上で避妊をしていないのに1年経っても妊娠しない場合に、不妊治療を開始することがすすめられています。年齢が上がるほど妊娠率は低くなるため、早めに手を打つことが大切になってきます。

 西洋医学の場合、不妊治療は一般不妊治療と高度生殖医療に分かれます。
 ①一般不妊治療
 ・タイミング法…不妊を疑いクリニックを訪れたら、最初にこの方法を指導される場合がほとんどです。卵胞の大きさを測るなどして排卵日を予測し、その日に性交を行うよう指導します。排卵誘発剤を使用することもあります。
 ・人工授精…排卵日を予測し、あらかじめ採取しておいた精液を注射器で子宮内に注入します。

 ②高度生殖医療
 ・体外受精…卵子と精子を体外に取り出して受精させ、受精卵が4~8個に分裂した段階で子宮内に移します。
 ・顕微授精…精子を直接卵子の中に送り受精させます。

 中医学的には、「妊娠しないのは瘀血(おけつ)が子宮内にあって出ないことによる」と記されています。また、虚弱体質や体力不足、精神の疲労なども原因の1つとされています。適度な運動が大事になってきますね。

 これらの原因による自律神経の失調、内分泌異常、血行不良、免疫機能の低下などが、不妊を招いていると考えられているわけです。その他、冷えも不妊の重大な原因の1つとされています。最近の若い女性は飲み物やファッションなどで、身体を冷やすことが多くなってきました。

 鍼灸による不妊治療がオススメされるのは、以下のような場合と考えられます。

 ・一度着床しても流産してしまう
 ・ホルモンの数値が良くない
 ・手足が冷えている
 ・採卵しにくい、あるいは卵子が育たない
 ・高温期が長く続かない

 このような理由で妊娠できない場合は、鍼灸で体質改善を図ることで状況を好転させることが期待できます。

 鍼灸による不妊へのアプローチは鍼灸院によりさまざまですが、多くの場合、まずカウンセリングを行いこれまでの経緯を確認します。その後施術に入りますが、その間に温浴トリートメントなどの独自ケアを行い、血流を促進させることで体質改善を図ります。鍼灸による不妊治療は、週1回のペースで3~6ヶ月ほど続けます。

 不妊に効果的なツボ!

 ①腎兪・・・直立した状態でわき腹に当たる肘の位置と同じ高さの背骨から、左右の外側へ指2本分ずらしたところ。

 ②天柱・・・風池…首元の髪の生え際で、首の後ろを通る2本の太いすじの外側にあるくぼみ。

 ③気海・・・身体の中心線上で、おへそから指幅2本下がったところ。

 鍼灸による不妊治療では、このようなツボを刺激して体質改善を図ることで、妊娠しやすい身体へと改善していきます。


<プロフィール>

神長 紗希 (かみなが さき)

高校卒業後、都内の専門学校へ入学し、柔道整復師、はり師、きゅう師、美容師の資格を取得。
鍼灸接骨院に就職したのち、フリーに転向し、プロアスリートや国民的アイドルグループのトレーナー活動を行う。
現在は茨城県ではり・きゅう接骨院 こもれび、ビューティーサロン pole*poleを開業。
【生涯健康で美しくいられる身体づくりをサポート】をモットーに日々治療にあたっている。

趣味はスノーボードとサッカー観戦
柔道3段で得意技は背負い投げ


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