筋肉栄養学

筋肉栄養学

第5回 脂質のはなし

 ちょっとの量で、大きなエネルギーを出すのが脂質です。
 1gで9キロカロリー。
 糖質やたんぱく質の2倍以上のエネルギーをもっています。
 そのため緊急事態に備えて、身体には脂肪という形でたくわえています。
 また、骨や筋肉や内臓を守るクッションにもなっています。
 そして、身体の機能をととのえるホルモンの材料、脂溶性ビタミンの吸収のサポートなど、三大栄養素のひとつとして君臨している由縁です。

 油と脂。よくこの2文字が登場します。
 20℃というと、ほぼ常温といっていいでしょう。
 あくまでも便宜な分け方ですが、この時に液体なのが油:Oil。固体なのが脂:Fatとなります。
 脂質の定義は、化学的にはっきり定義されていないというのも特徴なのです。
 油絵は、ほっておくとだんだん乾いてきます。
 これは、絵具を溶くために使った油が、空気に触れているうちに酸化されて、樹脂状に固まっていくためです。
 これを『脂が乾く』といいます。
 乾きやすい油は酸化されやすい=不飽和脂肪酸に多いということなのです。
 摂取するべき量は少なくて済み、効率の良いもの・・・。
 大さじ1杯だと、およそ110キロカロリー。
 消費されなかった分は、身体に脂肪としてたくわえられる、ということです。
 量に注意していきたい理由はここにあります。
 油脂を使った料理は、美味しさがまろやかになるので、脳が「幸せです」と感じやすくなります。
 その美味しさのとりこになって、食事量が増え、生活習慣病に繋がる一因にもなっていきます。
 脂質は消化に時間もかかるので、満腹感が持続します。
 体重のコントロールのために、極端に脂質を控えると、満腹感が続かないので、ちょこちょこ無意識で食べている・・・
 ここが過食になっていることも多くなります。

 グルコースは脂肪に転換できます。
 という事は、グルコースをたくさん食べると、身体の脂肪が増えるということです。
 グルコースがなくて、脂質だけだと身体は不完全燃焼を起こします。
 この不完全燃焼が起こらないために、食事摂取量のエネルギー比率で、脂質エネルギー比が20-30%になっているということなのです。
 グルコースも脂質も、まんべんなく食べて、きちんと燃焼することで、燃えカスも残らないということです。
 コレステロールは、食事からの摂取のおよそ5倍は、身体の中で作られています。
 そのため、フィードバック調節がされています。
 たとえば、エアコンが部屋の温度によってスイッチが入ったり、切れたり調節する様な機能、ということです。
 そして、コレステロールが温度、ということです。

 沈黙の中、業務を遂行している体内。
 少し甘えすぎていると・・・心当たりはありませんか?


ご意見、ご感想をお待ちしてます!
メールアドレス:column@roundflat.jp

<プロフィール>

小山 幸子 (こやま さちこ)

東京在住。
高校卒業後、国産車カタログ製作会社に8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。
15年間の病院勤務を経て、2014年よりフリー。
現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等の活動をしている。
『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。
メカオンチのあがり症。趣味は書道。
管理栄養士・西東京糖尿病療養指導士・毎日書道会会友(雅号:小山 桃花)

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