10万種類以上もあるたんぱく質。
このたんぱく質は、約20種類のアミノ酸が、様々なかたちで組み合わさってできています。
天然には、数百種のアミノ酸があるというのに、たんぱく質の分子を構成するアミノ酸は、ごく一部ということ。
別格扱いで、たんぱく系アミノ酸とも呼ばれています。
特に、ことわらぬ限りでは、アミノ酸といえば、たんぱく系アミノ酸を指していると考えていただいてもいいでしょう。
アミノ酸とは、一つの分子のなかに、アミノ基とカルボキシル基をもつ化合物の群れをいいます。
正確には、アミノカルボン酸といいたいところでしょうか。
そして私たちは、毎日ほぼ20種類のアミノ酸を、主にたんぱく質のかたちで食べています。
このアミノ酸、身体の中でつくられるものと、そうではないものがあります。
動物の栄養上で極めて重要で、体内でつくられないため、外部より食物として摂らなければならないのが必須アミノ酸。
植物では、すべてつくられるので、このようなことはありません。
必須アミノ酸は、別の名を不可欠アミノ酸といいます。
イソロイシン・ロイシン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・トレオニン(スレオニン)・トリプトファン・バリン・ヒスチジンの9種類。
必須アミノ酸の必要量は、成長期の様々な段階から、成長後によって異なります。
たんぱく質の中の必要な割合で示したものを、必須アミノ酸の必要量パターンと呼んでいます。
FAO/WHOが1973年に、人間に対して定めた必要量パターンをアミノ酸評点パターンと名付けました。
そして、このパターンを基準として、たんぱく質の第1制限アミノ酸の存在割合を求めたものを、アミノ酸スコアと呼んで、たんぱく質の栄養価の評定に使っています。
たんぱく質を摂取して吸収した後、利用率を決める因子として、それぞれの必須アミノ酸のたんぱく質中の含有割合があります。
あるアミノ酸が、ヒトが要求しているアミノ酸組成に足りていないアミノ酸のことを、制限アミノ酸といいます。
アンバランスがある時に、強化しなければいけないアミノ酸のことです。
この時に、最も不足する割合の大きいものを第1制限アミノ酸というのです。
非必須アミノ酸は、別名を可決アミノ酸。
体内で合成できるアミノ酸をいい、平たくいえば、必ずしも外部から摂取する必要のないアミノ酸をいいます。
だからといって、摂らなくていいことではありません。
不足すると、他のアミノ酸から合成する必要がでてくるので、生体にとっては望ましくありません。
アミノ酸同士がつながったものを、ペプチドと呼びます。
このアミノ酸がどういう風に繋がっているか、配列の順序を一次構造いいます。
なにしろ、20ものアミノ酸が、何十、何百と繋がっている順番を決めようというわけです。
考えただけでも・・・。
でも、たんぱく質は配列順序が正しければいいのではなく、正しい立体構造を持たなければいけない掟があります。
例えば、ヘモグロビンはα―グロビンとβ―グロビンが各2個ずつなくてはいけないという掟があります。
すなわち、α―グロビンだけだと、ヘモグロビンはできないよということです。
そして、部分的な構造が繰り返しあるものが二次構造、二次構造が組み込んで、立体構造になったものを三次構造。
そして、立体構造が複数集まることで働きが出るものを四次構造。
このように、驚くほど複雑な形をとることが、たんぱく質の身上といったところでしょうか。
身体の約20%を占めているたんぱく質。
今、心の中に20%占めているものを大きく思うならば、そのぐらい大切で、いとおしいものなのです。
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<プロフィール>
小山 幸子 (こやま さちこ)
東京在住。
高校卒業後、国産車カタログ製作会社に8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。
15年間の病院勤務を経て、2014年よりフリー。
現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等の活動をしている。
『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。
メカオンチのあがり症。趣味は書道。
管理栄養士・西東京糖尿病療養指導士・毎日書道会会友(雅号:小山 桃花)