内藤隆の「筋トレのツボ!」

内藤隆の「筋トレのツボ!」

第5回「停止動作の活用② ストップ法」

≪撮影協力:銀座健康倶楽部


 このコーナーでは、皆様が日頃実施しているトレーニングをより効果的なものとするため、私がパーソナルトレーニング指導で用いているテクニックをお伝えします。ぜひ自宅やジムでのトレーニングに取り入れ、より効果的なトレーニングを目指してください。

 前号では、「ポーズ(一時停止)法」を紹介しました。今号は、もうひとつの停止動作テクニック「ストップ(停止)法」について解説します。

 ストップ法は、筋トレの各セットの最後の1回、もしくは最終セットの最後の1回において、エンドポジションで3~5秒間停止し、トレーニング強度を高める方法です。

 スクワットを例に説明します。通常のスクワットは、1セット10~15回程度、動作を繰り返して終了します。ストップ法を用いる場合は、通常のスクワットを繰り返し、ラスト1回を下で停止し、良い姿勢で3~5秒間キープしてから持ち上げます。筋肉が引き伸ばされた状態で停止することにより、大腿や臀部の筋肉に効いているのが実感できます。

 上半身の種目、例えば肩のトレーニング種目であるショルダープレス(両手でダンベルを持って上げ下げする)の場合は、手を持ち上げたところがエンドポジションになるので、天井方向に手を伸ばした姿勢でストップするようにします。

 ストップ法をトレーニングに用いることには、主に2つのメリットがあります。

 1つ目は、ストップ動作によって、ターゲットとする筋肉をしっかり意識することができ(トレーニング効果を高める上で重要です)、自重や軽いウエイトでのトレーニングでも筋肉に十分な負荷を与えられる点です。慣れてきたトレーニングで試し、ぜひ負荷の違いを実感してみてください。

 2つ目は、ストップ動作が姿勢づくりのエクササイズにもなる点です。良い姿勢でスクワットの停止動作を行うためには、下半身の筋肉はもちろんのこと、体幹や上半身の筋肉をきちんと働かせることが必要で、ただ全身に力を込めるだけでなく、適度に身体をゆるますことも大切です。ストップ動作を取り入れることで、全身のバランスや姿勢を保つトレーニングになります。

 実施上の注意点は、呼吸を止めたストップ動作や長時間のストップ動作は、急激な血圧上昇を招くので避けてください。ストップ動作中は、口元をゆるめ、ほほえむ表情をつくるイメージで余分な力を抜きましょう。停止時間も最大5秒程度としてください。ただし、それでも通常の筋トレに比べて血圧が上がりやすいので、血圧が高い方や高齢の方はこの方法は避けてください。

 疲労感が高まるトレーニングなので、今日はここを効かせたい!というタイミングで使ってください。筋力向上だけでなく、一緒に良い姿勢を手に入れましょう!


<プロフィール>

内藤 隆(ないとう たかし)

幼児からシニア、初心者からアスリートまで、これまで10,000名以上に運動指導を経験。理論と実践が融合した分かりやすい指導に定評がある。パーソナルトレーナーとして活躍する一方、フィットネスジムのプロトレーナー/プロスタッフ育成、企業における社員の健康増進支援にも数多く携わっている。
・株式会社CSUP 代表取締役
・パーソナルジム「オーワン銀座」代表
・修士(スポーツ科学)、健康運動指導士
・早稲田大学エルダリーヘルス研究所 招聘研究員
・WASEDAウェルネスネットワーク 会員
・明治大学サービス創新研究所 客員研究員

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