長谷川賢宏の「スポトレのツボ!」

長谷川賢宏の「スポトレのツボ!」

第8回 W-UP・C-DOWNのツボ ~始める前の準備、終わった後の準備~

 こんにちは。スポーツトレーナーの長谷川です。
 W-UP、C-DOWNこれは皆さんも聞いたことがあると思います。何のためにやるの?どうやるの?
 目的、基本的な流れを理解しましょう。

 W-UP(ウォーミングアップ)
 これは主運動を始める前の準備となり、目的としては以下のようなものがあります。

 1)筋温を上げる
 生体反応を高め、神経伝達スピードを向上させる

 2)柔軟性を上げる
 スポーツ活動に必要な柔軟性、関節可動域を確認、獲得する

 3)筋出力を調整する
 スポーツ活動に必要な筋緊張を確認、調整する

 4)専門動作の予備運動を行う
 スポーツ活動に必要な動作を確認する

 5)呼吸循環器系の順応
 スポーツ活動に必要な心拍数に慣らしていく

 6)コンディションの確認
 疲労感や、身体の状態、変化を確認する

 7)集中力を高める
 試合に向けて心を整える

 8)チーム戦術・コンビプレーの確認
 試合に向けて戦術、チームメイトとの連携等を確認する

 9)環境の確認
 グラウンドや体育館、照明、天候などの環境を確認する

 普段何気なくおこなっているW-UPもこのように上げてみるといろいろな目的がある事が分かりますね。
 近年では運動前にスタティック(静的な)ストレッチを行うとパフォーマンスに影響があると言う研究結果も出ております。
 長時間のスタティックストレッチは競技パフォーマンスに影響(身体的、心理的)が出るケースは私も実感しております。
 W-UPの目的を理解、その都度状態、状況を確認しながら行うことが、自分自身を理解することに繋がり、ベストパフォーマンスを発揮することに繋がります。

 私が通常練習時、スポーツチームにおいて実際に行っている流れを簡単にご説明します。

 1)ペースランニング(ジョギング程度)
 一定距離、一定ペースでランニング、心拍数を図りコンディション把握を行う

 2)サークルストレッチ・筋コンディショニング

 その場で出来る関節可動域を広げるストレッチです。スタティックストレッチはあまり行わず、各関節を複合的に動かすダイナミックなストレッチを行います。肩関節、股関節などの各関節から行い、徐々に多関節へ、仰向け、うつ伏せから徐々に立位動作になるように全身を動かしていきます。

 この時に、筋緊張を整え、体温上昇、筋出力を高めるために自重でのトレーニング動作も行います。種目はなるべく競技特性に合わせて選択します。

 ユニバーシアードのブラジルのバレーボール選手は試合中のアップスペースで筋コンディショニングをしていました。

 3)ランニング・ステップメニュー(バレーボール、バスケットボールはコート間、サッカーなどはマーカーなどで区切ります)
 ジョギング⇒ランニングのペースでフロント走、バック走、サイドステップ、キャリオカ、スキップなど全力動作に対して50~60%程度のペースまで各ステップ動作の確認、リズムステップ、ダイナミック、バリスティックな全身運動を行います。ラダーや、マーカーを利用してステップワークの確認なども行います。

 4)フリーストレッチ(移動しながら)
 ここで一度全体を落ち着かせます(もちろん筋温が下がる、心拍数が落ち着いてしまうような時間は確保しません)。一時的に呼吸を整え、選手個々で状態の確認をしてもらい各自の調整時間を作ります。

 5)中強度から高強度での各運動
 競技特性に合わせて強度を上げた動作を行います。ショートステップ、ジャンプ、ダッシュ、反応対応などを行い、それぞれの競技、ポジション、その日に意識する動きの確認を行います。各動作は中強度で動きの確認、最大強度で同じ動作を行います。高負荷な運動になるので本数や、全体の時間に注意し、練習や試合に向けてベストな状態を作っていきます。

 暑熱、寒冷環境、アップスペースによって流れや、種目、時間はその都度変化させていきます。身体の準備としてのW-UPは20~30分程度を目安に行います。基本的な流れや、種目を作りながらも、状態、環境に合わせた準備が臨機応変にできるよう、知識や経験が必要になります。これは運動をする選手自身にも同じことが言えますね。W-UPの知識と理解はとても重要なのです。

 ではC-DOWN(クールダウン)は、

 1)安静時の状態に戻す
 運動により高まっている機能を運動前の状態に戻す

 2)疲労回復
 疲労を感じない程度で循環を促し、疲労物質の除去を行い、スタティックストレッチにて筋のコンディションを戻す。
 運動直後のダウン作業、更なる回復に向けたアクティブレスト(積極的休養)、フルレスト(完全休養)などがあります。
 とここまでにして、

 続きは、次回のストレッチのツボ~全身すっきりこのストレッチ~として、C-DOWNに活かせるストレッチの説明と具体的メニューでお届けします。

 W-UPは競技パフォーマンスを上げるために必要である 〇?×?

 答えは〇です。それぞれのストレッチ特性を理解し、準備、疲労回復に役立てましょう。


<プロフィール>

長谷川 賢宏(はせがわ たかひろ)

柔道整復師
了徳寺学園医療専門学校卒業
21歳の時にこの道を志し、師と仰ぐ先生に出会いトレーナーの一歩を踏み出す。
フリーランスでスポーツクラブパーソナルトレーナー、サッカー、バスケットボールチームのフィジカル・コンディショニングコーチを行ないながら、スポーツトレーナーとしての経験を積む。医療資格取得後、鍼灸接骨院運営、スポーツトレーナー派遣を行っている有限会社ケッズグループに入社、現在は代表取締役として、選手、患者様のサポート、後任の指導、育成に力を注いでいる。

主な経歴
2012ロンドンオリンピック ビーチバレー男子日本代表チーム トレーナー
2015ユニバーシアード光州大会 バレーボール男子日本代表チーム トレーナー
日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ(医・科学サポートスタッフ)
その他、高校、大学など育成年代のサッカー、バレーボール、バスケットボールチームのサポートを行う


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