こんにちは。スポーツトレーナーの長谷川です。
前回は、スポーツライフマネージメントを紹介しました。健康で快適なスポーツライフを送るためには、バランスを意識したセルフマネージメントが重要です。スポーツ生活の中にこの考え方とリズムを取り入れて行きましょう。
さて、高校選手権、リオオリンピック予選と新年からサッカーの話題が多くなっていますね。そこで、今回はサッカーに多い障害についてご紹介します。
サッカーは走る、止まる、切り返す、スライディング、跳ぶ、蹴る、ぶつかる、これらを90分間続ける激しいスポーツですから、怪我もつきものです。その中でもJones骨折(第5中足骨疲労骨折)はサッカーでとても起こりやすいスポーツ障害です。
Jones骨折とは、第5中足骨近位端(踵側)から約2cm部位の骨折の事を言います。
日本代表の選手にもこの既往歴を持っている選手が数名います。
スポーツによる怪我は、一般的に一過性の外力(捻る、接触等)により起こるスポーツ外傷(一般的に怪我と呼ばれる)と繰り返しのストレスから違和感、痛みへと変化するスポーツ障害の2種類に分けられます。
Jones骨折は繰り返しのストレスにより疲労が蓄積した事によって起こる疲労骨折です。
主な原因としては、中足骨頭に底側、外側から力が加わり、靭帯や腱の付着する部分からやや離れた所にひずみが生じ、これの繰り返しによって骨折にいたります。
サッカーの動作ではサイドステップや切り返しなどのカッティング動作、ボールを蹴る際の軸足に掛かる荷重がストレスとなります。また、固体要因としてO脚や、回内足などのアライメント異常、筋力(筋サイズ)のアンバランスから身体の使い方が崩れていたり、筋柔軟性の低下による関節可動域の狭小などもストレスを増大させ、この障害を誘発する原因となります。
さらに、人工芝や硬いピッチでの練習、止まり易いスパイクの使用など、トレーニング環境や道具によってもストレスの増大に繋がるケースがあります。
Jones骨折は治ってもスポーツ活動の再開により再発するリスクがとても高く、難治性の骨折と言われています。
そのため、手術による治療も多く選択され、競技復帰までは2~3カ月程度ですが、繰り返しの受傷になると6ヶ月などの非常に長い期間を治療に有するケースもあります。
スポーツ障害は痛みが出てからの対処ではスポーツや、競技に大きな影響を及ぼしてしまいますから、予防が大切です。
①Jones骨折の発生のリスクを理解しましょう!!
②人工芝、硬いピッチでの練習に注意!!止まりやすいシューズに注意!!
③メニュー、練習目的に合わせてシューズを使い分けましょう!!
④体幹、股関節周囲の強化と柔軟性の向上!! 外側荷重の是正と足趾の強化!!
⑤バランスの取れた食事摂取(タンパク質、鉄、カルシウム、ビタミンD)
スポーツ障害を予防することは私達スポーツトレーナーの大事な仕事です。皆さんも『未然に防ぐ』を心掛け、障害のないスポーツライフを送れるようにしましょう。
次回は、Jones骨折以外のサッカーの怪我と予防をお伝えします。
ご意見、ご感想お待ちしております。
Jones骨折はスポーツ障害であり、この障害は未然に防ぐことが出来る。〇か×か?
答えは〇です。予防のポイントは、外旋筋群の緊張をとり、股関節内旋可動域30度以上を目指しましょう。
<プロフィール>
長谷川 賢宏(はせがわ たかひろ)
柔道整復師
了徳寺学園医療専門学校卒業
21歳の時にこの道を志し、師と仰ぐ先生に出会いトレーナーの一歩を踏み出す。
フリーランスでスポーツクラブパーソナルトレーナー、サッカー、バスケットボールチームのフィジカル・コンディショニングコーチを行ないながら、スポーツトレーナーとしての経験を積む。医療資格取得後、鍼灸接骨院運営、スポーツトレーナー派遣を行っている有限会社ケッズグループに入社、現在は代表取締役として、選手、患者様のサポート、後任の指導、育成に力を注いでいる。
主な経歴
2012ロンドンオリンピック ビーチバレー男子日本代表チーム トレーナー
2015ユニバーシアード光州大会 バレーボール男子日本代表チーム トレーナー
日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ(医・科学サポートスタッフ)
その他、高校、大学など育成年代のサッカー、バレーボール、バスケットボールチームのサポートを行う
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