皆さん こんにちは!内田和美です。
都内フィットネスクラブを中心に、快適な毎日が送れるようココロと身体のサポートをしています。
今回は、指導ポジションを変化させて参加者のモチベーションをあげることを皆さんと考えていきましょう。
あなたは今日のレッスンで何人の方とアイコンタクトが取れましたか?
レッスン中、お客様の笑顔に触れることができましたか?
スタジオの後方や隅にいる方の顔を見ることはできましたか?
レッスンが終わった後のお客様の表情はいかがでしたか?
参加者の中に入りコミュニケーションをとることが苦手な方、クラスに一体感が欲しい方 、ライブ感を演出したい方、より参加者の能力を引き出したい方にお勧めの【お客様の中に入りコミュニケーションを取る方法を図式化したもの】をご紹介致します。
これは、私が以前インストラクター養成コースに携わっていた時にコース生のドリルとして利用していたものです。
後方に居る方、隅っこに居る方まで満遍なくコミュニケーションをとることができます。
1人でも多くのお客様とコミュニケーションを取れるようになると、信頼関係から安心感が生まれ、クラスにも活気が出て来ます。
最近流行のプレコリオなどはプログラムのコンセプトやマニュアルなどで指導ポジションの規制があるようですが、そうでない場合は是非参考にしてくださいね。
■指導ポジションを変化させること のメリット
インストラクターが様々な角度から参加者を観ることにより、クラス全体の様子を把握し確認することができます。参加者の苦手な動きや得意な動きが確認できる上、個々の動き方の癖なども見えてきます。また、段階的指導の見直しをはじめ、プログラムの改善点も見いだせます。
個々に視線を配れるようになると【落ちこぼしてしまう参加者】がいなくなります。
まんべんなく参加者に視線を配ることでインストラクターの熱意が伝わり、クラスに温かみが出てくる…これがクラスの一体感となるのです。
参加者が楽しんでいる表情を見ることができるのは、インストラクターとして最高の幸せですね!
参加者側のメリットとしては、インストラクターが近くに来てくれることで親近感が湧いてきます。観てもらっているという安心感が生まれ、レッスンについていける!クラスに参加して良かった!という前向きな気持ちになります。レッスンを楽しんでいる姿、頑張っている姿をみてもらえることの喜びを感じるようになります。
運動することの楽しさが実感できるようになると、運動効果も出てきます。
ここで、基本的な4つの指導ポジションの種類と活用の仕方をご紹介しましょう。
■基本の指導ポジション
①対面
参加者と向かい合って指導する方法
鏡のない施設で活用すると良い
コミュニケーションが取りやすい指導ポジションとして推奨されているが、必ずしも対面が有効であるとは限らない。なぜならインストラクターと向かい合わせに緊張してしまう方も少なくない。参加者の経験値、年齢層に考慮すること。また、動きの種類やステップなど下肢の動きの種類により使い分けることが大切
②背面
参加者に背中を向けて指導する方法
鏡があるスタジオでは同じ方向での指導が分かりやすい。対面同様、動きの種類やステップなど下肢の動きの種類により使い分ける
③並列
参加者の横に並び指導する方法
左右に体重移動する動きの時などに活用すると良い
ステップタッチ、横方向への移動など
④横向き
肩関節股や関節屈曲/伸展の関節動作など
足の歩幅など関節の可動範囲を見せたい時に活用するとよい
以上の様に指導の内容を考慮しながら、ポジションを選択します。
いよいよ積極的に参加者の中に入る方法をご紹介しましょう。
コミュ二ケーションを意識し、参加者の中に入るポジションの変化を7つの図とともに解説します。一人一人と向き合う気持ちで実践してみてください。
■参加者の中に入る7つのポジション
①参加者の間を抜けていく往復
縦に移動し参加者を確認する
動きやすい間隔が取れているかなど基本的な立ち位置を確認する
先頭にいるインストラクターのパフォーマンスや指導が後方まで届いているかなどを確認する
②横に移動
特に前列の参加者の様子を確認しながらコミュニケーションをとる
動きやすい間隔が取れているかなど基本的な立ち位置を確認する
インストラクターの立ち位置からパフォーマンスや指導が後方まで届いているか、わかりやすいかを確認する時などに活用する
⑥横8後に入りまんべんなく観察
こちらは⑤同様に活用する
動きが気になる、注意を促したいなど、個別にコミュニケーションを取りたい場合、直接その参加者に向かうのではなく、遠回りをしながらその方の元へ向かう時などに活用する
⑦全体を見渡すように
全体の雰囲気やバランスを見るときに活用するとよい
よりお客様の近くに行くことによりインストラクターの熱意が伝わる
動きの完成度が高まってきたときに活用すると良い
取り上げ演出を行うときに活用すると良い
•注意・考慮すべき点
(1)③〜⑦はある程度参加者が動けるようになってから行うことが好ましいでしょう。
なぜなら、参加者の動きが完成しないうちに移動してしまうと、動きが止まってしまったり、ばらつきが出てしまうなどの混乱を招き、集中力が欠けてしまいます。
また、手法を活用する時には、指導が疎かにならないように参加者の動きの完成度や集中度合いを確認しながら、活用してください。そして、全ての手法を活用しようとせず、目的や用途に合わせて選択しましょう。
先ずは時間をかけて一つの図式パターンを活用し、徐々にチャレンジをしてみましょう。
(2)常に大切な事は、アイコンタクト=コミュ二ケーションを取ることです。回る余裕が出てきたら、声をかけるなど個別のコミュ二ケーションも取ってみましょう。
(3)参加者の心を動かすためには、指導者側が積極的に動くことが大切です。指導者が動けば参加者の心も動くはずです。指導者から積極的に環境を変える努力をしてみましょう。
いろんな方向からものを見ることで新しい発見もあります。
<プロフィール>
内田和美(うちだ かずみ)
一般社団法人日本健康体操普及連盟 KAZE認定インストラクター
FNC認定パーソナルトレーナー
耳ツボジュエリーセラピスト
全日本剣道連盟剣道三段
元JAFA/エグザミナー
元FTPピラティスベーシックマスタートレーナー/グラビティトレーナー
(株)東急スポーツオアシス元教育チームスタッフ
学生時代は女性剣士として海外遠征を経験。現在は、都内のフィットネスクラブにてエアロビクス、ピラティス、バランスボールやツールを使った調整系クラス、マッスルトレーニングを指導中。パーソナルトレーナーとしても活動中。昨年より横浜銀行アイスアリーナフィギュアスケート選手のオフシーズントレーナーを担当。他にも、フィットネスインストラクターの育成や教育研修、フィットネス関連の雑誌にコラム執筆など多彩な活動をしている。