平成27年12月、文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会により、5年ぶりに新しい日本食品標準成分表(以下、成分表)が公表された。今回で七訂となる。
収載食品数も、1878食品から2191食品の大幅な増加に加え、成分項目も増えた。
さらに、アミノ酸成分表編・脂肪酸成分表編・炭水化物成分表編と別冊にて3冊が加わり、合計4冊の大規模なものとなっている。
収載数が増加した背景には、時代とともに、栄養成分値が安価に算出できるようになったことも要因のようだ。
ところで、成分表を見た事があるだろうか?
成分表策定の目的は、国民の健康に直接寄与そして健康行政。
コンパクトで使いやすい形で、様々に出版されている。
成分表はインターネットでも公開されている。
日本では、これまで世界に向けて成分表を積極的に配信していなかった。この公表によって、世界の食品データベースの1つとなり、東アジアで利用されていくと予測されている。
それでは、いったい何が変わったのか?
興味があるところを、ピックアップしていきたい。
新規食品として、今までなかったのが嘘のようだが、日本人の伝統的な食文化を代表する「刺身」。
まあじ、さんま、まだい、はまち、ひらめ、するめいかなど。
魚の皮は可食部、つまり食べられるところとして載っていた。なので、皮を除いたものを載せました、という事だ。
もう一つは、「天ぷら」。
さつまいも、なす、きす、バナメイエビ、するめいかの5種。
衣がついた形では初お目見えである。
ここからは時代背景もあるが、健康志向を反映した食品もラインナップした。
発芽玄米、ヨーグルトの低脂肪無糖・無脂肪無糖、あまに油、えごま油、青汁、黒酢、減塩(しょう油・味噌)、マヨネーズタイプ調味料など。
アレルギー対応として、米粉のみでできているパン・麺も。
食べる機会が増えた食品では、生パスタ、ベーグル、水耕栽培のレタス、アンチョビ、生しらす、ミニサイズの菓子パン、ビール風味炭酸飲料、バルサミコ酢、ゆずこしょうなど。
水耕栽培のレタスに関しては、緑黄色野菜になっている。
そして「にほんじか」も加わっている。
収載になったきっかけは、成分表に載っていないと、食べてくれないから、載せてくれと要望があったとか。
消費者としては、成分値が分からないものは、食べるのはちょっと・・・思うところだろう。
少しの時間、成分表に興味をもっていただいたであろうか?
まだまだ概要としては、一握に過ぎない。
詳細は、これを機に本編を一読してほしい。
そして食品とともに、自分の歴史もたどるのもいいだろう。
<プロフィール>
小山 幸子 (こやま さちこ)
東京在住。
高校卒業後、国産車カタログ製作会社に8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。
15年間の病院勤務を経て、2014年よりフリー。
現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等の活動をしている。
『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。
メカオンチのあがり症。趣味は書道。
管理栄養士・西東京糖尿病療養指導士・毎日書道会会友(雅号:小山 桃花)