今週の窓

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第12回 ロコモ 「なぜ人は年を取ると歩くときに腕を振れなくなるのか?」

 「きっかけは年の差婚カップルのカトちゃんでした」

 皆さんお久しぶりです、ロコモのたかぎです。
 芸能界でも年の差婚でひときわ目立つ加藤茶さん、テレビでご夫婦の姿を見られた方もおられるでしょう。
 ある日の2人のショッピングシーン・・・スタスタと歩いていく奥さんと、その後ろをトボトボとついていくカトちゃん。
 その時のカトちゃんの歩き方が、いつも福祉施設で見かける後期高齢者さんの歩き方とほぼ同じだったのです。

 カトちゃんもいつの間に73歳だったんですね・・・頭は下がり、背中は曲がり、腕は振れておらず、足は上がっていない。よって歩幅は狭いです。トボトボという表現がぴったり。
 歩幅が狭くなって、信号機が青の間に横断歩道を渡り切れなくなったら、「ロコモティブシンドローム」です。
 その後26歳の奥さんがカトちゃんの手を引いて歩く姿は、介護福祉士さんと施設利用者さんとの関係、まさに「介護」の1シーンに見えました。(新婚さんなのに・・・)

 そのときに思いました。
 「人はいつ頃から歩くときに腕を振れなくなるのかなぁ?」
 ここが老け込んで見えるターニングポイントでは?と考え、ある実験を試みました。

 中京大学の協力をいただき、公認の全天候型陸上競技場で100М歩行スピードを調べてみました。
 今回は45歳のたかぎの場合(身長175cm 体重62kg) 晴天 無風 気温28度のコンディション
 ①普通に歩く・・・60秒 腕振りあり 1㎞歩いて約10分というペースです。
 ②音楽に合わせ軽快に歩く・・・58秒 リズムにのって腕振りが勝手に強調される感じ。下を向きにくい。
 ③リュックを背負う(約3kg)・・・64秒 まだ腕振りできる。
 ④片手にカバン(約3kg)・・・66秒 片手は振れない。
 ⑤片手に傘・・・66秒 同上
 ⑥傘とカバン・・・68秒 両腕が塞がり、腕振りできないためさらに遅くなる。
 ⑦ズボンに両手・・・69秒 上半身全体が硬くなった感じでより遅くなる。
 ⑧ズボンに片手、反対の手はカバン・・・70秒 上半身の左右のバランスが悪くもっと遅くなる。
 ⑨スマホ歩き・・・74秒 片手フリーだが、思いっきり下向き猫背になる。

 いつかこの実験をさまざまな年代の男女で行ってみたいが、今回はあくまでたかぎのケースとしてまとめます。

 理想の歩き方・・・
 音楽を聴きながら、曲を口ずさみながら(鼻歌もOK)歩く
 と勝手にテンポが作られ、腕が振りやすくなります。
 すると背中は伸び、目線は下ではなく前へ。腕が振れると足は上げやすくなり、ストライド(歩幅)がアップしました。
 曲はミリオンセラー「三百六十五歩のマーチ」で実証。
 水前寺清子が歌うように「腕を振って足を上げてワンツーワンツー」の通り、腕を振ったら足は上げやすくなります。

 悪い歩き方・・・
 上記⑧と⑨を合わせた歩き方。両腕の自由は奪われ、腕振りしたくてもできない状況です。
 そして足元を見て歩くと自然に背中は曲がり、足は上げにくくなって、つまずきやすくなります。もちろん歩幅は狭まりますね。
 高齢者は、ハードな筋トレなどしなくても、姿勢を保つインナーマッスルを使えるようにしてあげるといいですね。
 いい姿勢で立ち続けると背骨を支える「多裂筋」、お腹周りを固める「腹横筋」も使うことになります。
 逆に若い人でもスマホ歩きをしている人は、無理やり高齢者と同じ姿勢をとることになります。

 結論・・・
 腕を振ったら背中は伸び、足は勝手に上がる!よってウォーキング時には荷物を持たない!

 ロコモ教室の生徒さん 「背筋伸ばして歩くんだったら、あれあれ、棒もって歩くやつがいいんじゃないの?」
 たかぎ 「ポールウォーキングですね」
 生徒さん 「でも普通に街歩きするときは恥ずかしいのよね、それに合った服装、鞄、靴でもないし・・・」
 たかぎ 「日本も北欧みたいにポールウォーキングが流行ればいいよね?」
 生徒さん 「スポーツショップに売ってるのは知ってるけど・・・買う勇気がないなぁ」
 たかぎ 「流行らせましょう!柳井さんにお願いしてCM流してもらおう!」
 生徒さん 「柳井さんて誰?」
 たかぎ 「ユニクロを展開するファーストリテイリング社の柳井さん」
 生徒さん 「えっ、知り合いなの?」
 たかぎ 「いやメールしてお願いしてみる」

 近未来の風景・・・
 もし合コンの待ち合わせ場所に、ビシッとスーツを着た男性がリュックを背負い、ポールを持ってハイスピード&ハイテンションでやってきたら・・・ポールを折り畳みながら「お待たせしました」と。

 うーん・・・やっぱり変かなぁ。

 次回は8月5日(金)「日常生活で腰が痛くなるシーン」です。



<プロフィール>

高城 力也 (たかぎ りきや)

島根県生まれの宮城県育ち、中京大学卒 東京でビジネスを学び、2002年に愛知で治療院を独立開業。
藤ヶ丘つぼハウス和」代表 整体師 レッドコードトレーナー
2013年よりリハビリ特化型デイサービスで介護認定を受けられた方へトレーニングを指導する。
将来少しでも介護保険を使わなくてもいい社会を目指して、ロコモ対策トレーニング研究所を立ち上げ、体験型講演会や執筆などで啓蒙普及活動も行う。
趣味は株式投資、オープンウォータースイム、バイヤー活動
将来の目標は世界最高齢のレッドコードトレーナー(武井壮さんのような身体能力を維持したい)


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