今週の窓

今週の窓

第2回 ロコモ 「イスから片足で立ち上がれますか?」

 はじめまして!
 愛知県名古屋市のベットタウン藤が丘という街で15年目になる整体治療院を運営している たかぎ と言います。今では隣の長久手市(愛知万博があったところ)が人気ですが、以前は東海地区住みたい街ランキング1位にもなったところです。

 通常の整体だけでなく、リハビリ特化型デイサービスで高齢者にトレーニングを指導していて思うこと、自院でロコモティブシンドローム対策トレーニング教室(長いので通称ロコモ教室)を行って感じるヒトのカラダについて、このコラムを通して紹介していく予定です。
 お決まりの教科書通りの話ではなく、リアルな現場の問題などを通して、皆様にはロコモを身近に感じ、早めに予防していただきたいと思います。
 自院にて「ロコモ対策トレーニング研究所」を併設して日々研究しておりますが、幸いなことに私にはバックに心強い専門の先生方がおられます。
 伊奈病院の整形外科部長でロコモ協議委員会の石橋英明先生、中京大学スポーツ科学部の湯浅景元先生、井本接骨院 井本尚本先生、以上の方々から学んだことも活用して、楽しく学べる「ロコモ」コラムにしていきます。

 初回のテーマは「イスから片足で立ち上がれますか?」です。
 今年の1~3月、サントリーさんのCM「ロコモア」をご覧になられましたか?三浦雄一郎さん(83歳)が片足でイスから立ち上がって、隣の60代男性が立ち上がれないという映像です。
 「非常にわかりやすい!」
 さすがサントリーさんですね。(担当された広告代理店のセンスかもしれませんが・・・)

 40cmの高さのイスからあなたは両腕を組んで(勢いをつけずに)片足で立ち上がることはできますか?
 一般に売られているイスの高さは40~45センチです。トイレの便座もそう。
 まずは左右それぞれ1回ずつチャレンジしてみましょう。
 どうですか? できましたか?

 ①両足とも立ち上がれた・・・おめでとうございます!
 あなたはロコモではありません。
 このテストを毎日一回死ぬまで続けてください。転倒のリスクを極限まで減らしてくれるでしょう。
 体力に自信がある方は、階段の段差(20~30センチ)でもチャレンジしてみましょう。それも成功した方は、床から片足で立ち上がれるかも。
 たかぎが小学生の頃は普通に床から立ててましたが、最近の子供たちは残念ながらできない子が多いです。
 たかぎは毎日20センチのイスから片足立ちできないと帰宅できないルールになってます。(これホント!)

 ②両足ともできなかった方・・・残念ながらロコモです。
 でも諦めるのはまだ早いです。
 まずはベットの高さ(50~60cm)で練習を。
 片足10回ずつを毎日続けてみると2週間後には楽にできるようになっているはず。その段階までいったら再びイスでチャレンジを。

 ご年配の方で、要支援1、2~要介護1レベルの方でもサポートしながら練習すると十分にできるようになります。(その代わり自立支援という評価になって、介護保険が使えなくなるケースもあり・・・どっちがいいんだか? 家族は迷うところですが)

 ③片足だけできる・・・片足過重(日頃どちらか一方の足で立っている人)の可能性ありですね。
さまざまな年齢層の方たちで実験を繰り返しましたが、左足立ちは得意だけど、右足はやや怪しい・・・という方が多いです。

 なぜか?

 世界共通で人は右利きが多いです。
 ということは足も右利き・・・サッカーボールをとっさに蹴るのは右足=軸になる足は左足ということになります。
 言い替えると、器用なことをするのが得意な右足と、重さに強い左足という表現もできると思います。

 例えば・・・電車の中で吊革もって立っている人を観察すると、左足重心の方を多く目にします。
 すると右足の踵は浮きやすく、右膝は曲がり、骨盤は内側に回旋しやすくなる。もちろん骨盤は左側大腿骨の真上に乗っかるような感じになります。

 人生何十年も左足過重で立っていると、体重を支える足の強さに左右差が出てもおかしくはありません。
 それがこの「イスからの片足立ち」テストをして判明するわけですよね。

 このまま過ごして70代、80代になって、歩行中に体重を支えるのが苦手な方の足(ほとんどの方が右足)一本足状態になったとき、もし人とぶつかったりした場合、転倒しやすいかもしれませんよ。
 そうならないためにも足の強さは左右それぞれ同じくらいにしておきたいですね。

 「片足だけどうしてもできない」という方・・・諦めないで。

 たかぎもそうでしたから。
 練習すること2週間で成功、それ以降失敗なし。よって毎晩帰宅できています。
 できなかった人が、一度成功すると、それを続けたくなるのですね。(多少Мっ気がありますが・・・)

 今回のコラムを読まれた皆さん、自分だけでなくぜひご家族友人知人にもイスからの片足立ちをやらせてみましょう!結構盛り上がりますよ。ただしアルコールの入った合コンではご注意を・・・

 ロコモ チャレンジ!推進協議会HP:動画でロコモ度テストをチェック

 次回予告!ラウンドフラット社のiPhoneアプリ『かんたん姿勢ナビ』でよくわかる「ヒトって意外と傾いてるんですね」

<プロフィール>

高城 力也 (たかぎ りきや)

島根県生まれの宮城県育ち、中京大学卒 東京でビジネスを学び、2002年に愛知で治療院を独立開業。
藤ヶ丘つぼハウス和」代表 整体師 レッドコードトレーナー
2013年よりリハビリ特化型デイサービスで介護認定を受けられた方へトレーニングを指導する。
将来少しでも介護保険を使わなくてもいい社会を目指して、ロコモ対策トレーニング研究所を立ち上げ、体験型講演会や執筆などで啓蒙普及活動も行う。
趣味は株式投資、オープンウォータースイム、バイヤー活動
将来の目標は世界最高齢のレッドコードトレーナー(武井壮さんのような身体能力を維持したい)


instagram

> 詳細を見る

Twitter

> 詳細を見る

Youtube

> 詳細を見る