ちょっとの量で、大きなエネルギーを出すのが脂質です。
1gで9キロカロリー。
糖質やたんぱく質の2倍以上のエネルギーをもっています。
そのため緊急事態に備えて、身体には脂肪という形でたくわえています。
また、骨や筋肉や内臓を守るクッションにもなっています。
そして、身体の機能をととのえるホルモンの材料、脂溶性ビタミンの吸収のサポートなど、三大栄養素のひとつとして君臨している由縁です。
油と脂。よくこの2文字が登場します。
20℃というと、ほぼ常温といっていいでしょう。
あくまでも便宜な分け方ですが、この時に液体なのが油:Oil。固体なのが脂:Fatとなります。
脂質の定義は、化学的にはっきり定義されていないというのも特徴なのです。
油絵は、ほっておくとだんだん乾いてきます。
これは、絵具を溶くために使った油が、空気に触れているうちに酸化されて、樹脂状に固まっていくためです。
これを『脂が乾く』といいます。
乾きやすい油は酸化されやすい=不飽和脂肪酸に多いということなのです。
摂取するべき量は少なくて済み、効率の良いもの・・・。
大さじ1杯だと、およそ110キロカロリー。
消費されなかった分は、身体に脂肪としてたくわえられる、ということです。
量に注意していきたい理由はここにあります。
油脂を使った料理は、美味しさがまろやかになるので、脳が「幸せです」と感じやすくなります。
その美味しさのとりこになって、食事量が増え、生活習慣病に繋がる一因にもなっていきます。
脂質は消化に時間もかかるので、満腹感が持続します。
体重のコントロールのために、極端に脂質を控えると、満腹感が続かないので、ちょこちょこ無意識で食べている・・・
ここが過食になっていることも多くなります。
グルコースは脂肪に転換できます。
という事は、グルコースをたくさん食べると、身体の脂肪が増えるということです。
グルコースがなくて、脂質だけだと身体は不完全燃焼を起こします。
この不完全燃焼が起こらないために、食事摂取量のエネルギー比率で、脂質エネルギー比が20-30%になっているということなのです。
グルコースも脂質も、まんべんなく食べて、きちんと燃焼することで、燃えカスも残らないということです。
コレステロールは、食事からの摂取のおよそ5倍は、身体の中で作られています。
そのため、フィードバック調節がされています。
たとえば、エアコンが部屋の温度によってスイッチが入ったり、切れたり調節する様な機能、ということです。
そして、コレステロールが温度、ということです。
沈黙の中、業務を遂行している体内。
少し甘えすぎていると・・・心当たりはありませんか?
ご意見、ご感想をお待ちしてます!
<プロフィール>
小山 幸子 (こやま さちこ)
東京在住。
高校卒業後、国産車カタログ製作会社に8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。
15年間の病院勤務を経て、2014年よりフリー。
現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等の活動をしている。
『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。
メカオンチのあがり症。趣味は書道。
管理栄養士・西東京糖尿病療養指導士・毎日書道会会友(雅号:小山 桃花)