一生のうちに人間はどれぐらい食べるのでしょうか?
仮に0歳~75歳まで生きるとして、米7.1トン・味噌汁7,000杯・魚7,000尾・肉7,000枚(豚肉のとんかつ用)・豆腐4,800丁・牛乳5,400ℓ・野菜7,600トン・卵18,000個・・・。
目安とはいえ、生きている間にこれだけ一人で消費するのだから、食事がどれだけ大切なのかがうかがえるでしょう。
朝ごはんぐらい食べなくても、何も起こらないという方は、いっぱいいるでしょう。
そう、ヒトの身体は1~2食食べなくても、なんともないようにできているからです。
ただ、身体を構成する材料が揃わなければ、それなりの身体になる…ということです。
糖質や脂質やたんぱく質は、必要なエネルギー源になります。
ビタミンは、必要なエネルギーを作るのに必要なものになります。
ミネラルは、必要な工具・針・接着剤・糸にもなります。
欠食や偏食をすると、材料が揃わないので、身体を作り変えられないのです。
日々の生活で、どこかの1食が欠食や偏食しても大きな影響はないでしょう。
ただ、このことが習慣化した場合には、身体に各所にマイナスが積み重なって出てくる…ということです。
ヒトと車の違いを見てみると、車の車輪が悪くなって、他のところに問題がない時は、車輪の悪いところだけを交換します。
ヒトの場合は、普段から悪くなくても、一定の周期で新しいものに変えていて、常に病気にならないように守っているのです。
そのために、いつ、なにか、身体が作り変えられるように、きっちり食べる・・・と、言うことに繋がります。
たとえば、鶏のから揚げが今日のおかずの時は、鶏のから揚げ2こパクパク、ごはん一口ではなく、鶏のから揚げ1こ、ごはん一口を2回パクパクで、食事のバランスがとれてくるのです。
牛肉・豚肉・鶏肉の中で一番いいのは、どれなんだろう?
よくいろいろなところで特集していますね。
どの食肉もいいのです。
牛肉には、亜鉛や鉄が豊富。豚肉はビタミンB1の宝庫です。
鶏肉は、肉の中でビタミンAが豊富・・・。
それぞれ特徴があるのです。
肉は、たんぱく質と脂質だけでできている訳ではないということです。
魚も同様です。
ヒトに近いアミノ酸組成をちゃんと持っていて、魚油という誰にも負けない武器も備えています。
食品というのは、必ず複数の栄養素を持っています。
栄養素の集合体といえます。
いろいろ食べることで、栄養素不足のリスクを下げる事もできます。
○○を食べると身体にいい、悪い・・・。
これもいろいろなところで毎日のように特集されています。
同じものを食べることで、万が一、有害なものが蓄積されていくリスクも考えられます。
様々なものを食べるということは、こういう対処も、担っているのです。
食品の視野が拡がると、知らず知らずに、人生の視野も拡がるかもしれません。
食には、それぞれ物語があります。
そしてその人の味が、思い通りに滲みでているのか否か、思いやみません。
ご意見、ご感想をお待ちしてます!
<プロフィール>
小山 幸子 (こやま さちこ)
東京在住。
高校卒業後、国産車カタログ製作会社に8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。
15年間の病院勤務を経て、2014年よりフリー。
現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等の活動をしている。
『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。
メカオンチのあがり症。趣味は書道。
管理栄養士・西東京糖尿病療養指導士・毎日書道会会友(雅号:小山 桃花)