これが本当の健康づくり運動

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番外編 やめたほうがよい姿勢:脚を交差させて立つ

 最近、駅のホームやバス停で、写真のように脚を交差させた姿勢で電車やバスを待っている若い女性を見かけることが多くなりました。誰か人気女優のまねなのでしょうか。
 このような立ち方はやめたほうがよいと思います。
 脚を交差させて立つと、膝関節はO脚状態になります。キネシオロジー的には(機能解剖学上は)内反状態になります。
 「誰か人気女優のまねなのでしょうか。」と書きましたが、このような姿勢は、実は楽なのです。なぜなら、靭帯に寄り掛かった姿勢だからです。靭帯は能動的には収縮しないので、エネルギーをほとんど消費しません。これに対して、脚を交差させずに脚をまっすぐに保ったままで立とうとすると、骨格筋を収縮させて膝関節をまっすぐな状態に保たないといけないので、骨格筋を収縮させるためのエネルギーが必要になります。最初は誰かのまねだったのかもしれませんが、その楽さゆえに、いつのまにかクセになってしまっている可能性もあります。
 脚を交差させて立つと、膝関節の外側にある外側側副靭帯に寄り掛かることになります。つまり、外側側副靭帯をストレッチし続けることになります。そうすると、外側側副靭帯は徐々に伸びていきますから、膝関節の外側を支えることができなくなって、O脚がひどくなっていく可能性があります。さらには、長い年月の末には、変形性膝関節症になりやすくもなると考えることができます。

図1 脚を交差させて立つ
図1 脚を交差させて立つ



<プロフィール>


西端 泉(にしばた いずみ)

川崎市立看護短期大学教授、日本フィットネス協会理事

主な研究テーマ:
高齢者の体力・健康を維持・増進するためのレジスタンス・トレーニング
安全性を優先した健康づくり運動の開発
認知症予防・改善のための運動
発達障害を有する子どものための運動


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