山田聡子の「栄養のツボ!」

山田聡子の「栄養のツボ!」

第6回 大切な商談前の食事

 大切な商談、プレゼン、会議の場の特徴は、1.相手に見られる、2.相手と同じ空間を共有する(相手との距離が近い)、3.元気をアピールしたい、ということでしょう。このためには食事や栄養ではどのように気を遣えばいいのでしょうか。

 相手への第一印象は元気で明るいほうが良いですね。そのため万全の体調で当日を迎えましょう。数日前からうがい、手洗い、人ごみでのマスクの着用の徹底、睡眠不足を避けるなどしましょう。

 食事ではビタミンAとビタミンCの摂取に気をつけて、免疫力を維持させておくと疲労や風邪の予防に役立ちます。これらビタミンは色の濃い野菜や甘酸っぱい果物に豊富に含まれます。また大切な日の前日は深酒も避けておいたほうが無難でしょう。当日に腹痛や下痢を起こさないように消化不良を起こしやすいメニューを避けることもお勧めです。商談をとりたいからと、勝つ(カツ)丼や勝つ(カツ)カレーなどを商談前に食べるのはあまりお勧めしません。

 相手と同じ空間を共有するエチケットとして気をつけたいのが臭いです。必ずしも商談場所や会議室が広いところとは限らず、相手との距離が近い場合もあります。口臭、体臭、衣服に付着する臭いには注意しましょう。にんにくの効いた料理、焼き肉やうなぎのかば焼きなど煙が多い店内、たばこの臭いなど。これらは事前の食事では避けましょう。食後の歯磨きやうがいも忘れずに。また食物繊維が多い食べ物はガスが出やすいことがあります。お腹がゆるくなりがちな人はさつまいも、ごぼう、海藻などは控えておきましょう。

 相手への元気をアピールするにはまず目力です。上記に書いたビタミンAが目の健康を守ります。また、アントシアニンというポリフェノールも目を健やかに保つ助けをすると考えられています。アントシアニンはブルーベリー、黒大豆、黒米、黒ゴマ、ブドウなどに多く含まれています。商談や会議では集中力を発揮することも必要です。朝食や昼食ではしっかりと脳のエネルギーである炭水化物(米、麺類、パンなどに多い)を摂る事、眠気予防のため事前の食事は腹八分目におさえておくことなどがポイントです。のどや口を潤すことでスムーズに声が出やすくなることと、唾液分泌による口臭予防が期待できます。水分補給には、トイレが近くならないようにカフェインが少ないほうじ茶、番茶、ミネラルウォーターなどにしましょう。

 「幕ノ内弁当」
 商談前のランチを買ってきたお弁当で済ませるのなら、断然、幕ノ内弁当がお勧めです。栄養バランスが良く、脂質も控えられるので消化がスムーズです。アスリートの方がお弁当選びで迷ったときも、とにかく幕ノ内弁当、または彩りの良いお弁当を選ぶようにアドバイスをしています。野菜が少ない場合は野菜ジュースや野菜果汁ジュースをプラスすればさらに最強です。

<プロフィール>

山田 聡子 (やまだ あきこ)

日本体育協会公認スポーツ栄養士、管理栄養士、健康運動指導士。
青山学院大学国際政経学部卒業、及び、東京健康科学専門学校栄養士科卒業。
2003年~2007年明治製菓株式会社(現・明治)ザバス スポーツ&ニュートリション・ラボ勤務。
明治製菓在籍中は、全日本男子柔道 強化代表チーム、全日本男子バレーボール 山本隆弘選手、トップリーグ ラグビーチームなどをサポートした。
2008年よりフリー。アスリートの栄養サポート(2013~2014年 J1リーグサッカーチームなど)、スポーツ栄養の記事執筆、セミナー講演、専門学校講師などを中心に活動中。

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