第六講:ヒラメ筋

ヒトの身体には、生き物の名前がついたパーツって意外と色々ありますが(暇なときにでも探してみてください)、今回はそのひとつ、ヒラメ筋の話です。英語でいうとsoleus、舌平目(sole)に形が似ているから、というのが名前の由来ですが、その元をたどるとヒラメが足の裏とか靴底とか(これもsole。インソールの「ソール」ですね)に似ているからなんだそうです。

ふくらはぎを形作る筋肉のひとつで、表面に大きく盛り上がる「腓腹筋」の下にペタッと薄く存在します。このように人体には‘体表面にあって、瞬発的な動きが得意な筋肉’(=速筋)と、‘骨の近くにあって、重力に抗して姿勢を保つため持久的に力を発揮している筋肉’(=遅筋)があります。前者は白っぽい「白筋線維」が多く含まれ、後者は赤っぽい「赤筋線維」が多く含まれます。お刺身で言うところの「白身」と「赤身」がまさにそれですね。回遊魚など、持続的に遠洋を長時間泳いでいるマグロなどは赤身の代表、そして、普段は砂の上でじっとしていて、敵から逃げるときなどにパパッと俊敏に動くヒラメなどは白身の代表です。あ、混乱している方いらっしゃいますか?あくまでヒラメは「白筋」の多いお魚ですが、ヒラメ筋は「赤筋」成分の多い抗重力筋ですよ。
こういった地球上の1Gの重力に抗するための筋肉は、例えば無重力空間に滞在する宇宙飛行士や、寝たきりで直立方向の重力がかからない患者さんなどでは萎縮が進みやすく、白筋化してしまうことが分かっています。普段から立ったり歩いたりと日常をアクティブに過ごし、赤筋をしっかり使っておきましょう。赤筋はミトコンドリア(酸素を使ってエネルギーを生み出す細胞小器官)を多く含んでいるため、鍛えると体全体の代謝が上がるという大きなメリットがありますよ。

ふくらはぎ全体のトレーニングで有名なのは、立った状態から踵を反復して持ち上げる(つま先立ちの反復)という「ヒール・レイズ(カーフ・レイズ)」ですが、これだと上に重なっている腓腹筋も一緒に鍛えられてしまうので、ふくらはぎをあんまりムキムキにボリュームアップしたくないわ、という女子にはちょっと嬉しくないかもしれません。あ、ふくらはぎだけが目立って太い脚のことを「ししゃも脚」と言いますね。また魚だ。ししゃもにならずにヒラメを効率よく鍛える方法について書いておきます。
要は、腓腹筋を使わないようなポジションをとれば良いということです。腓腹筋は膝と足首をまたぐ「二関節筋」、対してヒラメ筋は足首のみをまたぐ「単関節筋」です。したがって、あらかじめ膝を曲げて腓腹筋をたるませて使わない状態にしておけばいいということになります。やり方は大きく分けて2つ。立って行うか、椅子に座って行うかです。立って行う場合(ソレウス・ヒール・レイズ)は、まず軽く膝を曲げた状態で立ち、踵を少し持ち上げたところからスタートします。このとき足先の向きはまっすぐ前に向け、がに股にならないよう注意して下さい。ここから1カウントで踵を持ち上げ、3カウントかけて戻します。反動をつけずゆっくり行うこと、踵は一回一回床にベタッと着かないこと、また最初に設定した膝の角度は途中で変更しないこと、に気をつけてください。意外と負荷の高いトレーニングですので、20回×3セットを目標に行いましょう。物足りない方は片脚ずつどうぞ。座って行う場合(シーテッド・ヒール・レイズ)は、椅子に座り、腿の上にダンベルや2ℓペットボトルなど、個人に合わせた重さの重りを乗せ、そのまま同じ要領で踵上げを行います。これだと日頃から手軽に行えそうですね。腿の上に重そうな本を何冊か乗せておいて、職場や学校の机の下でこっそりヒール・レイズ。あ、授業中とか会議中に行う場合は、バレないようポーカーフェイスを忘れずに。

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