内田和美の「フィットネス指導現場あれこれ」

内田和美の「フィットネス指導現場あれこれ」

第4回 指導について その④
褒めてやる気を引き出すテクニック

 皆さん こんにちは!内田和美です。
 都内フィットネスクラブを中心に、快適な毎日が送れるようココロと身体のサポートをしています。

 内田和美の『フィットネス指導現場のあれこれ』第4回は「褒めてやる気を引き出すテクニック」です。褒める言葉が持つ力とレッスン中に参加者を褒める言葉掛けとタイミング、効果について皆さんと考えていきましょう。

 皆さんは人に褒められた時にどんな気持ちになりますか?
 苦手な事にチャレンジをした時、思いもよらぬ賞賛の言葉を貰えた時にはテンションが上がり、もっと頑張ろう!とやる気が湧いてきませんか?

 参加者がより安全で効果的にそして楽しくエクササイズに取り組めるよう、またモチベーションをあげる賞賛の言葉掛けとそのタイミング、テクニックについてまとめてみましょう。

 エアロビクスなどのグループエクササイズ指導の場合、インストラクターは参加者へ動きの指示(キューイング)を行います。参加者の動きを観察してより安全に効果的に、楽しみながら動けるように、適宜声掛けを行います。また、上達するための動機付けとして、適宜に褒めることを意図的に行いながら進めて行きます。グループレッスンではこの一貫した流れを繰り返しながら、指導が行われます。この指導ルーティンを『指導の循環』と呼んでいます。

 賞賛の言葉掛けは、意図的に、そしてタイムリーに盛り込みます。決められた時間枠の中で効果や成果、達成感を引き出す訳ですから、一方的なレッスンにならないように盛り込む言葉や言葉掛けのタイミングを逃さず進めていきたいものです。

 <ポイント!>
 改善の兆しが見えたら賞賛の声を掛ける褒める言葉掛けのタイミングはタイムリーに!

 インストラクターは動き方や動きのイメージを伝えるとともに『もっと~するとより効果的に動ける』とか、『スムーズな動きになる』など、より快適に動くための声掛けやこちらからの注意点、要求などを盛り込みながら指導を行います。

 レッスン中、参加者を良く観察してみましょう。例えば『腕をしっかり伸ばしましょう』、『体を大きく動かしましょう』、『足を大きく前に踏み込んでいきます』という声掛けに参加者が応えてくれた時や、動きが改善され相手が変化していく兆しが見えたら、すかさず『しっかりと動けていますね。その調子!』、『動きが綺麗になりましたね!』、『それでいいですよ!』と安心させてあげる言葉掛けを行い、褒める、認めるという賞賛の言葉を伝えましょう。このタイムリーな言葉こそが自信とやる気につながります。また、インストラクターは言葉と同時にジェスチャーなどのビジュアルで、参加者が上達していく嬉しい気持ちを素直に伝えて喜びを共感しましょう。

 褒める事は、その人の良いところを更に引き出し認めてあげることです。インストラクターは恥ずかしがらず、参加者に明確に伝えてあげましょう。『もっと見てもらいたい!』、『もっと褒められたい!』褒められたときの嬉しく高揚した気持ちが参加者にやる気を起こさせて身体や心を変化させます。こんな気持ちがモチベーションを上げ、新しい事にもチャレンジする動機付けにもなるのです。
 タイムリーな賞賛の言葉掛けに慣れてきたら、次はレッスンの動作以外のことでも相手の良いところを見つけ、タイムリーに声掛けをしてみましょう。


 〈まとめ〉
 ・褒めることは認めること
 ・愛情を持って参加者と向き合う
 ・相手の良いところを沢山見つける
 ・インストラクターの喜びは参加者に素直に伝える

 次回は『指導の循環について』皆さんと考えていきたいと思っています。
 それでは、良いお年を!


<プロフィール>

内田和美(うちだ かずみ)

一般社団法人日本健康体操普及連盟 KAZE認定インストラクター
FNC認定パーソナルトレーナー
耳ツボジュエリーセラピスト
全日本剣道連盟剣道三段
元JAFA/エグザミナー
元FTPピラティスベーシックマスタートレーナー/グラビティトレーナー
(株)東急スポーツオアシス元教育チームスタッフ

学生時代は女性剣士として海外遠征を経験。現在は、都内のフィットネスクラブにてエアロビクス、ピラティス、バランスボールやツールを使った調整系クラス、マッスルトレーニングを指導中。パーソナルトレーナーとしても活動中。昨年より横浜銀行アイスアリーナフィギュアスケート選手のオフシーズントレーナーを担当。他にも、フィットネスインストラクターの育成や教育研修、フィットネス関連の雑誌にコラム執筆など多彩な活動をしている。



instagram

> 詳細を見る

Twitter

> 詳細を見る

Youtube

> 詳細を見る