“筋”曜どうでしょう

“筋”曜どうでしょう

第13回 腹、くくりましょう

 ボンジョルノ。今さらですが、私、ライトなアニメオタクです。多分。
 多分ていうのは、どこからが本格的なオタクかが、いまいちわからないからです。深夜の『ノイタミナ』枠なんかが好きで、声優さんの名前も有名どころはそれなりに知ってて(その昔、俳優養成所に在籍していた事があるんですが、当時の仲間が実際に声優やってたりします)、「好きな監督は?」って聞かれて、宮崎駿でも新海誠でもなく「御大、富野由悠季!」と即答する程度なので、夏と冬に東京ビッグサイトに行ってブースに並んじゃったり、アニメイトやメロンブックスにお買い物に行っちゃったりするレベルではありません。
 筋トレ的に言えば、クイックリフトやチンニングなど、ふつうの人はあまり知らないものが大好きだけど、タンニングマシンに入ったりコンテストに出てポージングしたりする域には達していない人、という感じでしょうか。......わけがわからん。

 なんでこんな話をしたかと言えば、皆さんに聞いてみたかったからです。
 これ、知ってます?

世界の筋トレ  そう、おっさん世代には「フェ~ド・インッ!」でお馴染み、『勇者ライディーン』! 1975年製作、「『マジンガーZ』が流行ったから、うちもロボットものいけるんじゃね?」という安易......もとい、機を見るに敏な東北新社のアイデアで、のちに『機動戦士ガンダム』で日本を代表するアニメ監督となる富野喜幸(のちに由悠季に改名)氏らを抜擢して作った、古代ムー帝国の遺産というトンデモ設定のロボットアニメです。ちなみに主人公の声優さんは、神谷明さん。ケンシロウや冴羽リョウ(『シティハンター』)、そして筋次郎の大先輩(?)、キン肉マンなどの声と言えば、聞いたことあるんじゃないでしょうか。

 そして今回の動画は、それにちなんで、「ドロ~・インッ!」 

世界の筋トレ  ......はい、このネタがやりたかっただけです。前フリ長くて、すまん。
 この『ドローイン』、ヨガやピラティスなんかやってる人は、よくご存知の感覚です。「お腹を締めて!」とか、「スクープ!」とか指導される、アレです。動画にもありますが、ようするに「筋肉のコルセット」とも呼ばれる腹横筋をしっかり収縮させて、いわゆる身体の「コア」を意識したり安定させるために行なわれるエクササイズですね。

 ポイントは、

・おへそのちょっと下、「丹田」のあたりを意識する
・息を吐いたときに、下っ腹がきゅっと凹んで締まるような感覚を大切に

 といったところでしょうか。クラシックバレエや武道をやってる人なんかは、感覚は知ってるのでやりやすいかも。ただ気をつけて欲しいのは、「ドローインは単なる体幹を安定させるための、ひとつのオプション」に過ぎないことを忘れちゃいけないってことです。だって、スポーツしてる最中に「息吐いて、お腹を締めて......」なんていちいち考えてないでしょ? トレーニングにおいてもドローインのさらに先、周辺の筋肉全体で体幹を安定させる『アブドミナル・ブレーシング』という身体の使い方こそがむしろ大切、みたいな捉え方が、現場では主流かも。

 まあなんにせよ、姿勢を整える、体幹を安定させる第一歩として、トライしてみましょう。ライディーンにフェード・インするために、まずはバイクで人面岩まで行くようなもんです。......わけがわからん。

 あ、借りてきた『君の名は』を見なきゃ。それでは、チャオ。


ドローインをやってみよう!
コメント:
正確なトレーニングフォームはもちろん、美しい動作の基本となるエクササイズです。武道でいうところの「丹田」を意識して、腹、くくってくださいませ。

強化部位:
腹横筋
筋肉動画図鑑で一つひとつの筋肉を詳しく見ることができます。


<プロフィール>

伊藤謙治(いとう けんじ)

F Fintess Support(www.f-fit.net/)代表。
トレーニングコーチとして現場指導に当たる他、専門誌ライターとしても活動中。CSCS,JATI-ATI。


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